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たんすの中から出てきたお母さんのおきもの、アンティークショップで見つけたおきもの、頂いたもの、ネットオークションで手に入れたもの、お嫁に持ってきたもの…。
今の自分の体型に合わせて仕立てていないおきものがお手元にある、ということが多いこの頃です。
「古い」「小さい」そんな理由で、着て出掛けるのはちょっと無理かも…というものもおありかと思います。(どのあたりを基準として「着て出掛けてもいいものか」ということは個人個人の判断ですから何とも言い兼ねますが( ̄ヘ ̄;)。)
きものにはまって集め出した頃は「可愛い!安い!」だけで買ってしまうけれど、どんどん着ているうちに、サイズの小さいものはかっこよくないと気付くようになったりとか、すぐに破けてしまった、なんてこともあるものです。
そんな、着られなくなってしまったおきものを、なんとか着られるようにしたり、有効利用したりするアイデアや工夫をお話しします。こういったことも、きものを楽しむ大きなポイントとなると思います。
まず理由として挙げられるのは、
・サイズが小さい。
・汚れや傷がある。
・色が派手過ぎたり、柄の問題。
そして、そのおきものをどうしたいのかについては、
・どうしても「きもの」として着たい。
・着ることはできないが、何かに使えないか?
などがあると思います。
それらの一つ一つを挙げながらお話ししていきます。
タンスに眠っていたきものにしても、頂いたものにしても、どんなにお安く手に入れられたアンティークのきものにしても…お蚕さんが作った繭から、織り上げられ、染められ、仕立てられ…数々の手間と愛情を経てそこにある一枚のきものは、できることなら、切り刻んだりせずになるべくきものとして着て頂きたいものです。
○小さいきもの
サイズの小さなきものは、最近のアンティークきものの楽しみ方で色々提案されているように、裄(背縫いから袖口までの長さ)が短くても気にせず(下の洋服の袖を見せたり)、対丈(おはしょりを取らずに羽織ったままの丈で着ること)で着たりするといった着こなしを堂々とお洒落にできる人なら、そのまま着ることができます。堅苦しく思われがちな和装会に「目からウロコ」といった感じの新しい、可愛い着方ですね。
でも、きものに親しみのない方が、ご自分の感覚できものを楽しめることは本当に素敵なんですが、ずっときものに触れてきた方には「きもの的な感覚」というものがあります。どういう姿が美しく、どんなきものがいいもので、流行り廃りというものも洋服程ではないにしてもきものにだってあります。
「あら、あの人あんなきもの着てるわ。クスクス。」ともしかしたら意地悪く笑う方もいるかもしれないんです。
最近の「別ジャンル」のきものを目指していらっしゃるわけでなければ、最初は着ているだけで楽しかったきものも、見なれてくると「あれ?なんだか私のきものってなんか変…?」なんて思うことが出てくるかもしれません。きもの姿を見なれてきて、綺麗なきもの姿がイメージできるようになると、裄の短いきものを「ありゃ!これってもしかして、つんつるてん!」なんて思うようになるかもしれません。
そんな時、寸法を直すとすれば…の選択肢を挙げてみます。
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部分的な寸法直しをしてみましょう
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1、裄(背縫いから袖口の長さ)を直す 裄は袖付け(袖と身頃の繋ぎ目)の部分で中に入っている縫代があれば、そこだけを解いて出すことが出来ます。 |
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2、袖丈(袖の振りの長さ)を直す 少し前までは、「娘時代のお袖は長く」や「よそいきのお袖は長く」が常識でした。ですので、古いおきものはどうしても袖丈が長いものが多いです。それがまたレトロな感じで可愛らしく着ることもできますが、今の普通のきものの感覚としてはそれがそのまま「古いもの」という印象を与えるところでもあります。 |
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3、衿 これは、わざわざ直さなくても…と思われる方の方が多いと思います。聞き流して下さい。 |
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部分直しが難しい箇所
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1、身丈は部分直しは難しい 寸法で一番問題になってくるのが、身丈です。これは、おはしょりを作らずに対丈で着る 身丈が短いきものをちゃんと(おはしょりをとって)着るのは余程でない限りあきらめた方が賢明かもしれません。 |
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2、身幅が狭い 身幅が狭いおきものは、縫代に余裕があっても完全な仕立て直しになります。部分直し的なことはできません。 |
仕立て直し
さて、「仕立て直し」についてお話ししましょう。
まず手順を簡単に書いてみますね。
| 解く(トキ)(きものを解く。) ↓ 端縫い(ハヌイ)(繋いで反物状態に戻す。) ※この二つはトキハヌイと呼んで、大体一緒にします ↓ 洗い張り(生地を張りながら洗い、均一にのばす。) または湯のし(洗わずに、均一にのばすだけのこと。新しい訪問着なども湯のしに出してから仕立てます。) ↓ 染めるなどの加工の必要があればする ↓ 仕立てる |
となります。縫い直すのって結構大変なんです。
料金的には、きものをそのまま出して、「洗い張りお願いします。」で、トキハヌイも含めて5,000円〜といった感じだと思います。(これは私がお願いしているところのお値段で、かなり安い方だと思います。物や汚れ具合、出されるところによって違うと思いますのでよくご確認下さいね。)
仕立て代が、袷で大体25.000円くらいが多いでしょうか?(これも色々ですが。ちなみに私は母がしてくれていますので無料です。ありがたや。v(^_^ v))
○汚れについて
小さなシミなどの場合、その部分に柄を足すことによって隠すという方法があります。(描く、刺繍、金彩など)
広範囲の汚れや色褪せ、ヤケなどがある場合は、全体に色をかけて隠すことができます。その場合…
・生地全体を染める。
・柄を残して、無地場だけを染める。
の二通りの方法があります。
全体を染めることを「浸染」「ドボン」などといい、文字どおり「ドボン」と全体を瓶に漬け、一色に染めますので、料金的にも結構お安いです。
しかし、柄の部分に防染(染まらないよう糊でふせる)したり、ぼかしを入れたりなどをしようと思うと、「引き染め」といって、生地を張って人の手ではけで染めるという大変な手間が必要になります。
こちらの方は、かなりの思い入れのおありのおきものや「いくらかかっても構わないわ!」という状況でなければお考えにはなられないことでしょう。
浸染でも、かける色を薄くすれば、柄もぼんやりとはなってしまいますが、残すことも物によっては可能ですし、全く新しいおきもののようになり、なかなかお勧めです。私のまわりでも、結構よくされます。
ただし!小さなシミを隠すにしても、全体を染め直すにしても、きものを一度解き、加工後に仕立て直す必要がありますので、トータルでの料金などをよく熟考される必要があります。
○裏地(胴裏、八掛)の付け替え
昔のきものの八掛は、とっても派手な色のものがついていることが多いですよね。少しご年配の方などは、「こんなん今着られへんわ。」と気になられる方もあるようです。
また、表地に比べて薄い生地である上に、袖口などの汚れやすいところは、その汚れが気になったり、洗いすぎて破れたり、と表地が大丈夫でも八掛から先に寿命がきてしまったりします。
胴裏も古いものはその頃の糊の関係もあるようで、ものすごい茶色の斑点(「ほしが入る」と言っています。)がついてしまったりします。
というわけで「裏地の取り替えをしたいわ」ということも結構ありますが、これもすべて解いて仕立て直しになってしまいます。(表だけはそのままで裏だけ替える、ということは出来ません。)
○虫食い
1cm四方くらいまでなら、刺繍でなんとか隠せるそうです。
○家紋
これも微妙な問題ですね。( ̄ヘ ̄;)
今の時代、「何が家紋やねん。」と言ってしまえばもう何の問題もありません。
でも、自分の家紋以外が付いているきものを着るはやはり気になる方は、リサイクルやアンティークでも家紋の無いものをまず選ばれた方が賢明でしょう。(アンティーク派の方には元々問題じゃないという方が多いと思いますが。)
しかし、違う紋が付いていても、前述した小さなシミを隠すのと同じ要領で隠す方法もありますし、上から縫い紋を施すこともできます。しかも仕立て直しは必要ありません。
<きものを違うものに加工する>
残念ながらきものとして着るのはどうしてもできないようなものでも、きものは直線生地で出来ていますので、新たに生まれ変わる方法がたくさんあります。そんな中から少し紹介しましょう。
○長襦袢、袖襦袢、コート、なごや帯に
きものよりも短い生地でできるこれらもののに仕立て直すことができる場合があります。
着れなくなったきものを長襦袢に…というのは昔からよくされていたことのようですね。昔の人は、きもの(布)を本当に大切にしていたんですね。日本人の素晴らしい美徳と知恵だと本当に感心してしまいます。
特に、「きものとしてはちょっと派手やなぁ。」なんてものでもなごや帯にすると意外に素敵なものになります。私のまわりでも結構ブームです。
○二枚のきものを使って一枚のきものに
仕立ての人のかなりのセンスと技術と根性がいるかもしれませんが…。
○帯揚、半衿に
これが一番簡単です!
きものを解けば、直線の布になります。それで出来上がりです。
帯揚…長さ約1.6m、幅約30cm
半衿…長さ約90cm、幅約15cm
に切りましょう。
<帯のリフォーム>
○寸法について
帯の新しいものを買う時、きものは寸法を聞かれますが、帯って聞かれたことがありますか?
まあ確かに、大体の方は普通の寸法での許容範囲内で結べます。
でも、ちょっとふっくらさんや、かなり細い方、ましてやかなりふくよかな方でも、何も言わずそのまま仕立てられてお手元に…がどうやら当たり前のようです。不思議?!
ましてや、アンティークものなどは短いのが当たり前ですね。
帯の寸法も継ぎ足したりで、直すことができます。
ただし!どこにどういう風に継ぎ足すかは、その帯(柄の位置の関係や厚みなど)によったり、もちろん体型によりますので、仕立ての方にかなりの慣れと技術が必要になりますので要注意です。
帯に一度ハサミを入れてしまうとやり直しがきかないこともありますよ。あくまでも慎重に!
○つくり帯に変える
胴の部分とお太鼓を分けてしまって、最初から形のできているものを体に付けるだけ、にすることです。
色々なものがあるようですが、どんな方にも帯が巻ける様にお教えしています私達ですのでこちらの方は残念ながらあまり知りません(*−−*)。
○丸帯から袋帯2本に
裏表、端から端まで全通の丸帯は、裏が無地で表も一巻き目は無地である袋帯を2本に仕立て直すことができます。
今、丸帯はなかなか結びにくいものです。
私も祖母のお嫁入りの時の丸帯から袋帯を作ってもらって使っています。
○袋帯からなごや帯に
短い袋帯でも、なごや帯にすれば長さは十分にあります。
使用頻度も少なくなりがちな袋帯ですが、なごや帯にすればぐっと締める機会も増えそうです。
さて、色々とお話ししましたが、「自分でできること」というのは悲しいかな少ないと思います。
ましてや、縫い直しや部分直し的な仕立てなどは、すご〜く面倒な上、料金はあまり頂けなかったりと、仕立ての方も嫌がられることが多いのが現実です。
技術的にも普通の仕立て外の専門技術といえるかもしれませんので、これをしてくれるところを探すのは大変かもしれませんね。
しかし、現在のアンティークのブームでそういったお店で直しも受けてくれたり、ネット上でも見かけます。良いことでもありますが、トラブルがおきがちなことであるのも確かです。
どうか、慎重にお探し下さいませ…。
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