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近年にわかにやって来ている「きものブーム」。
「きものっていいな…。」そう思ってくれる方が増えているのは嬉しい限りですね。
でも何もないところから、「きものを着よう!」と思っても、普通の呉服屋さんを覗いてビックリ。目を疑ってしまうようなお値段が…。そこで注目を集めているのがアンティークのきものです。また、お値段だけの問題ではなく、色彩や柄などにおいてもレトロでロマンティックなアンティークきもの自体の魅力が、皆さんの心を掴んでいるようですね。私も大好きです。
最近の本などでも、あっと驚くような新しいきものの着こなし方が色々提案され、町を歩いていても自分流にきものを楽しんでいる若い方を見かけたりなんかして、思わず微笑んでしまいます。
…でも、この「微笑んでしまいます」というのがちょっと曲者だと私は思うんです。
と言いますのは…。
きものに親しみのない方が、ご自分の感覚だけできものを楽しめることは本当に素敵なんですが、ずっときものに触れてきた方にはちゃんと「きもの的な感覚」というものがあります。それは、私達日本人が千年以上の時の流れと共に養ってきた感覚です。どういう姿が美しく、どんなきものがいいものかや、流行り廃りだって洋服程ではないにしても、きものにだってあります。
そんな方が見たら「あら、あの人あんなきもの着てるわ。クスクス。」と、もしかしたら心の中で笑っているかもしれないんです。
…意地悪でうっとうしく思いますか?
そうですね。たしかに意地悪です(笑)。
ですが、その感覚自体が、善悪の問題依然に確かに存在しているのです。
私の、自分流にきものを着ていらっしゃる方を見ての「微笑み」の中にも、「可愛いなぁ、きもの着てくれて嬉しいな。」なんていう心からの笑みと共に、「あぁ、この人は、それ見て笑う人もいるんやってこと知らへんのやろな…。」という苦笑いが含まれることがあります。
たとえば、(私の経験でもありますが)最初は着ているだけで満足だったきものも、見なれてくると「あれ?なんか私のきものって変…?」なんて思うことが出てきます。だんだんと綺麗なきもの姿が、イメージできるようになると、それまで何も感じていなかった裄(背縫いから袖口までの長さ)の短いきものを「ありゃ!私のきもの、つんつるてんやん!」と気付いたりします。
「きもの的な感覚」というもの自体、もちろん一日で身につくものではありませんから、ゆっくり一杯失敗しながら感じていってもらえばいいと思います。
でも、アンティークのきもの屋さんでとんでもないものをとんでもないアドバイスと共に勧められて買ってこられる方などがいらっしゃったりする時に「むっ!?」と疑問を感じるのです。きものを自由に楽しむのは大いに結構なんですが「きもの的な感覚」を無視するならば…という前提を本当は教えてあげるべきだと思うのです。
が確かに、そんなことを言っては「だからきものって嫌なのよ。」と誰も買わなくなるかもしれませんね。
私自身も本当は結構「世の中なんでもあり派」ですし、楽しくきものを着ることを怖がらせてしまうようなことは言いたくないです。
ましてや、古いきものは恥ずかしいから駄目だなんて思っているわけではありません。長く着られることこそきものの大きな魅力ですから。
それに、只々皆さんに、笑われることはやめた方がいいと言いたいのではありません。
問題は、あなたがどう思うかだけなのです。
気にしないんなら全然構わないんですが、実際に見ていて、もしこれがおかしいんだと知ったら、この人はしないだろうと思うことが多いのです。
自分が着て楽しむだけならまだしも、TPOに関わる場所では、知らないことによって誰かを不快にさせたり、悲しませたりすることだってありえるんです。
大切なのは「知ること」です。その選択肢の中から、自由にあなたなりの「きもの」を見つけていって頂きたいのです。
でも、もしあなたが、 最近の本などで提案されている、「今の感覚で着るアンティークっぽくて、これまでのきものという観点に囚われない新しいきもの」というのに魅力を感じて、それを目指していらっしゃるのであれば、あれはある意味、もうきものの別ジャンルと言えるかもしれませんから、「人が何を思おうが関係ない!私は着たいものを着る!」と、強い意志を持ってぜひぜひ楽しんで頂きたいです。(私の苦笑いなど、ひと昔前の、いい感じのジーパンの破れに対するおばあちゃんの「ズボン破れてまっせ。」という指摘と思って失笑して下さい(笑)。)
堅苦しく思われがちな和装会に「目からウロコ」といった感じの素晴らしい流れです。
文化だって、変わらないことだけが美徳ではありません。生きていてこその文化ですから時代に合わせて変化して然るべきだと思います。いいえ、変化しないと消えてしまうかもしれません。
でも、まだまだ特別と言える、そんな別ジャンルのきものを本当にお洒落に着こなせる方は、実際は数少ないんじゃないかと思います。
そして何より、「笑われたって気にしない!」という強靱な精神をお持ちの方というのは、そうそういらっしゃらないのではないでしょうか?
まず、ご自分がどういう風にきものを楽しみたいのか考えてみて下さい。その上で、できるだけ上手に賢くアンティークきものと付き合っていって頂けたらなと思います。
寸法
古いきもののほとんどはサイズが小さいです。
その中から自分が着られるものを選ぶ為には、まず自分の寸法を知ることです。
大きなポイントは、
・裄(背縫いから袖口まで)
・身丈
・前幅
あたりです。
持っているきものの中から着てみてちょうど良いものの寸法を計っておくと良いでしょう。
背に腹は替えられません。お店にはメジャーなんかを持っていくといいですね。
帯なんて特に、短いものがほとんどです。
絶対にチェックして買いましょう。
現在の帯の標準寸法
・なごや帯…9尺5寸(約3m60cm)
・袋帯…1丈1尺5寸(約4m35cm)
柄の位置にも要注意です。
汚れや色褪せ
アンティークとして売られているようなものの汚れはもう落ちないと考えていいと思います。
それでも何とかしようものなら結構なお金が掛かることになります。それだったら新しいものが買えるのでは…なんていうこともしばしば。
とにかく嫌という程、隅から隅までよ〜く見てから買うことです。
強度
古い絹には、もう生地が弱くなってしまっているものもあります。
出先でおしりの所がビリッ、なんてことのないように要チェック。(お店で引っ張って破いたりしないように!)
着る時期や場所
袷、薄物、単衣の違いや、柄の季節感も気にして、いつ着られるものなのかを分かった上で求めましょう。
また、きものには小紋、訪問着などといった格の違いが明確にあります。それらも区別してから求めます。
This page last update : 04/10/29